《MUMEI》

「いいか、今から俺達だけでパス練していると思え。」


俺が倉木さんの所へ駆け寄ると否や、
先輩はとんでもないことを言った。


「ええ!?

そんな無茶苦茶な!!」


こんな大きな大会でそんなことは到底考えられない。


「いいから!

お前なら出来る!!」


「………やってみます。」


有無を言わせぬ物言いに、
首を縦に振るしか無かった。


「よし、じゃあキーパーがこっちにフリーキックしてきた時が勝負だ。

いいな?」


「了解っす!」


お互い手を合わして離れた。


後半残り5分。


一刻の猶予も許されなかった。


キーパーのフリーキックにより、
倉木さんに渡ったボール。


勝敗を分ける一点は、
倉木さんと俺に託された。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫