《MUMEI》

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彼女は、ヤレヤレといったふうに肩を竦めて見せる。


「ソウはね、いろいろ理由があって、ひとより2年遅れてるから、今、19歳…だったかな」


彼女の発言に、わたしはまた驚いた。



………19歳!?


しかも、『2年遅れてる』って、


つまり、2回、留年してるってこと??



信じられなかった。

どんなに頭が悪くても、フツーに通っていたら、高校で留年なんてしないのに。


わたしが戸惑っていると、小田桐さんは、そんなわけだから、と声を改めた。


「ソウは高校生だけど、フツーじゃないの。だから、あいつに深入りしない方がいいわよ」


さりげない話の流れで、しっかりと釘を刺された。


《彼に、関わるな》


小田桐さんは、そう言いたいのだ。



−−−釈然としなかった。



彼女が、彼と知り合いで、しかも相当仲が良いことは、話の中でよく理解出来た。


………でも、


なぜ、そこまで言われなければならないのだろう。


わたしが、だれと仲良くしたいと思おうが、それは小田桐さんに関係ないはずだ。



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