《MUMEI》 . わたしは、彼女達の顔をひとりひとり見つめたあとで、 ありがとう…、と呟き、 心から、ほほ笑んでみせた。 −−−次の瞬間、 「イヤー!お姉様ぁッ!!」 「その美しさは、むしろ犯罪ですッ!!」 「もっと笑ってェ!!わたしに、笑いかけて〜!!」 キャーーッと、たくさんの黄色い悲鳴が、教室中に響き渡り、わたしは瞬く間に揉みくちゃにされてしまう。 わたしはすっかり、彼女達のパワフルさに翻弄されて、 ………やっぱり、このノリには、 ついていけないかも〜。 ちょっぴり、不安を覚えたのだった。 ◆◆◆◆◆◆ みんなで一緒に校舎から出て、校門のところまでやって来たとき、わたしの視界に、男子校の校舎がうつり込んだ。 足を止め、それをじっと見つめる。 あそこに、 『ソウ』さんが、いるんだ………。 そう思っただけで、不思議なことに胸がドキドキした。 「どうしたの?」 立ち止まったわたしに向かって、巴が尋ねてくる。周りにいるクラスの子達も、不思議そうな顔をしていた。 . 前へ |次へ |
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