《MUMEI》












「これで休憩か…」


「あぁ。


Aブロックの1位チームの移動があるからな。


20分くらいはかかるし、


それからのアップとかも考えた上での時間調整なんだろ。」


「暇だな〜。」


「古賀は途中出場だから余計体力余ってるだろ?」


「そうすね〜。


いち選手としては決勝ではフルで出たいすけど、


そうもいかないでしょ〜し。」


「ま。
お前はまだ2年なんだし、
焦る必要もないだろ。」


「いやいや。


高総体は別ですよ?


自分には来年があるけど、


あの人との対戦チャンスは高総体が最後ですから。」


「あの人?」


「…桜井春樹。」


「あぁ…
聖龍の…」


「あの人以上のセンターは見たことないす…


センターのてっぺんと戦える最初で最後のチャンスですからね。


あの人を越えなきゃ終わるに終われないすよ。」


「…まぁ、


聖龍を倒すって点では、


俺もそうしなきゃ終われね〜よ。」

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