《MUMEI》 . でも、そんなわたし達の他愛ないひとときを、邪魔するひと達がいた。 −−−男の子だ。 わたしと彼女が仲睦まじくおしゃべりをしていると、いつも、クラスの男の子が、その会話に割って入ってくるのだ。 3人で話せばいいのに、男の子はわたしにばかり話し掛けて、しかも、それを目撃した他の男の子達が、慌てるように、次から次へと、わたし達の輪に入り込み、 ………気づけば、親友はいつも蚊帳の外。 みんなの輪から外れて、ひとり所在なげにぽつんと立ち尽くしていた。 彼女の寂しそうな顔に気づいていたものの、わたしはとくにフォローもしなかった。 −−−そんなある日。 放課後の教室で、わたしは親友とふたりきりになった。オレンジ色の夕日が、窓から覗いていた。 わたしがいつものように、一緒に帰ろう、と彼女に声をかけたとき、 彼女は、真剣な顔をして、言った。 「もう、我慢出来ないから、言うね。わたし、寧々のこと、だいきらいだった。いなくなればいいのにって、いつも、思ってた」 突然の告白に、わたしは言葉をなくした。頭が真っ白になった。 なぜ、そんなことを言うのか、理解出来なかった。 . 前へ |次へ |
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