《MUMEI》
拓磨、頑張る
眉間に特殊メイクでしわを入れているイネス志貴は


更に眉間に力を入れ、ベクトル拓磨に『早くしなさい』と訴えた。


ベクトル拓磨は


「カトラス様〜、いいえ、あ・な・た。

ご飯にする?

お風呂にする?

それとも、ワ・タ・シ?」


…頑張った。


「いや、どれも」


カトラス柊は全部否定しようとしたが


「えー、どれでも!?ベッキー嬉しい!

じゃあ、お風呂一緒に入って〜

ご飯『あーん』で食べて〜

デザートは、アタシでいいかしら?」


ベクトル拓磨は更に頑張り


『ウフッ』とできもしないウインクをして


カトラス柊に


キスできる程の距離まで迫った。


「た、助けて!の、違ったシモン様!」


カトラス柊は、主のシモン希先輩に助けを求めた。


(ん?えっと…)


「すまない、シモン。これでリフレドに平和が訪れるんだ。協力してくれ」


俺…ジャンはイネス志貴から渡されたメモを読んだ。


「そ、そうか…

カトラス。お前がどんな道に進もうとも、私との信頼関係は変わらない。

だから…

頑張れ」


シモン希先輩も、戸惑いながら、イネス志貴から渡されたメモを読んだ。

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