《MUMEI》

こんな風に、鳥居さんや健太の事を気にする事が出来るのは、那加が回復してきている証拠だから。





「──もぉ‥どこ行ってたのよ日向ぁ」





病室の戸を開けて聞こえてきた第一声。





「自動販売機のとこ行ってたんじゃなかったの?」

「ぁ‥、ぁぁ、そうなんだけど──」





アイツに声をかけられて‥。





それで話している内に‥時間が経ってしまった訳で。





「──まぁ、別に何してたか気になる訳じゃないけど」





そう言って那加は、鳥居さんとお喋りを再開した。

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