《MUMEI》

熱いシャワーを浴び
寒気は少し治まった

たいした事なかった
んだな、と安心して
歩いてると如月に声
を掛けられた。


『おい、花音。』


『ん、何?如月。』


『今日の撮影、終わ
りだってさ』


『え、嘘、だって予
定では、あと何シー
ンかあるはず…』


『うん、何かスタッ
フさんのミスでトラ
ブルが起きたらしい
よ。で、監督が怒り
Maxみたいでさー』


『で…中止と?』


『そ、だから予定
空いちゃったんだ
よねー、俺達二人
共に。』


チラッと、僕を見て
イタズラっぽく笑う
如月。


『俺さーホント久し
ぶりなんだ、急な休
みってさ、だから…
お前も付き合え!』


『は!?』

グイッと腕を引っ張
られて走り出す如月
に引き摺られながら
テレビ局を後にした

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