《MUMEI》

『いつか、俺もあん
な映画を撮りたいん
だ!』


『え、如月が映画を
撮るの?』


『ああ、まだ先の話
だけどね。その時は
海里に出演して貰う
からな!』


『あはははっ、如月
間違えてるよ、僕じ
ゃなくて花音だろ?



『いや、間違いじゃ
ないよ。花音じゃな
くて、俺は海里本人
を気に入ってるんだ
から…』


その言葉に驚いて顔
を上げれば、真剣な
顔をした如月。


『……っ』

何も言えずに俯く。


『海里、顔が真っ赤
(笑)』


『煩い!これは少し
熱があるからなんだ
からねっ、勘違いす
るなよな!』


悪態を吐きながら内
心は、僕自身を気に
入ってくれてる事が
嬉しかった。

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