《MUMEI》
忌み名
『金色青龍王鬼!』
(コンジキセイリュウオウキ)

カラスは優鬼の忌名
を呼んだ。


氷の中の優鬼の身体
がピクリと跳ねた。


『その名を呼ぶな!』

先程の弱々しい声で
なく、禍々しき声が
唸るように響く。


『おお、我が主よ。
金色の瞳の青龍の血
を持つ鬼…』


『言うな!』


『鬼神の如き強さを
持ち、人を恐怖に貶
めた冷酷なる金色の
瞳、心を凍らせる様
に美しきその容姿』


『貴方が、たかが人
1人の為に、その全
てを封印したのは…
遥か昔の事…』


『よせ、カラス!』


『今度は…命を封印
する、お積もりか?
優鬼、いや金色青龍
王鬼?』


ーービシッ!ーー

青き氷に亀裂が生じ
た。


『……カラス、従属
の分際でワシに意見
しようと言うのか?
身の程をわきまえよ


ーービシッビシッー

亀裂が大きくなり中
の禍々しき声も大き
く響き渡る。

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