《MUMEI》 改めて…. 「なによ、その言い方!カンジ悪ッ!」 精一杯イヤミを言ったが、義仲は平然としていた。 「そんなの、お互いさま。俺だって、璃子ちゃんのこと、なにも教えてもらってないし」 わたしは眉をひそめる。 …………そんなの、一度も聞いてきたことないじゃん!! 気がおさまらないわたしは、ひとつ、いいことを思いつき、 当然、彼の耳元で喚き散らす。 「片倉 璃子、15歳、高校1年生!成績優秀、容姿端麗!父親と母親と3人暮らし!!兄弟はナシ!」 唐突な自己紹介に、義仲はビックリしたようで、振り返った。 「なんだよ、いきなし大声で」 戸惑う彼の目を見て、わたしは勝ち誇ったようにほほ笑む。 「ちゃんと教えたわよ?」 だから、あんたも言いなさい、とつづけて命令する。 . 前へ |次へ |
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