《MUMEI》

.

義仲は呆けたようにわたしの顔を見ていたが、そのうち吹き出して笑った。


「ヘンなやつ〜!自分で『容姿端麗』とか言うなよ!」


アハハ、と大声をあげた。わたしは鼻を鳴らし、真実でしょ、と答えた。

ひとしきり笑ったあと、義仲はまたまえを見て、

すっきりした声で、言った。


「櫻井 義仲、15歳、高1!親父と2人家族。でも、舎弟はいっぱいいる。兄弟は、いない」


そこまで言ってから、あ、と思い出したように付け足した。


「もしかしたら、いるかも」


曖昧な言い方に、わたしは、はぁ?と首を傾げる。


「どっちなの?いるの?いないの?」


突っ込んで聞いたが、義仲は笑って、よくわかんねぇ、と答えた。


「親父、死んだ母さん以外にも、オンナ囲ってるから。もしかしたら、腹違いとかいるかもしんねーな」





…………。



………………はぁッ??





.

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫