《MUMEI》

.


…………思いが通じた…。



ホッと胸を撫で下ろしたわたしに、

義仲は呑気な声で、言ったのだ。


「ほら、着いた♪」


わたしはビクリと肩を揺らし、恐る恐る周りを見ると………。


豪華な佇まいの、日本家屋が、そこにあった。
立派な門には、風情ある木製の表札。


《櫻井》


そう、書かれていた。





…………ギャーーーッ!!





着いちゃった!!


着いちゃったよッ!!


どーすんの、この状況ッ!!


どうなっちゃうの、わたしッ!!





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