《MUMEI》
キャン キャン
子犬の鳴き声が。
「国兄さんだ!」
「窓から顔を出すな!」
今にも落ちそうな七生の襟首を掴んでやる。
「おー、ななくん今日はじろーくんの家居たの。」
片手に愛犬のチワワを抱えて七生の隣人、小暮国雄が俺の家に入って来た。
「ツンだあー!」
七生はさっさと木下家の玄関を開けた。
「ツンを暫くお願いしていいかな。
遅くなりそうで。」
国雄さんは七生にツンを渡している。
国雄さんは190センチ以上ある高身長だ。
夜のお仕事でかなり稼ぎがいいはずなのに質素なアパートに住んでいるのは謎だ。
にしても国雄さんは色気を兼揃えた男らしい人だ。
華やかなオーラが眩しいです。
現実にここまで肩につく長い金髪が似合う日本人男性は彼以外見たことがない。
「これご飯ね」
国雄さんは何万人もの女性達が心奪われたであろう笑顔でドッグフードを渡した。
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