《MUMEI》
不機嫌な真司
翌日、月曜日。


俺はいつも通り登校し、いつも通り教室に入った。


「あの抜け殻をどうにかしてくれ」


(珍しいな)


そこには、怒りをあらわにする真司がいて


「私のせいじゃないし。文句は双子に言ってよ」


真司の迫力に押され気味な志貴がいた。


(原因は…あれか)


俺の視線の先には、自分の席でボーッとしている


抜け殻のような、拓磨がいた。


「とにかく! 今度の日曜日までには責任持って元の状態に戻してくれよな!」


真司は志貴を睨みながら叫んだ。


「な、なぁ。日曜日、何があるんだ?」


俺は、唯一いつもと変わらないサッカー部員


守に話しかけた。


「祐也、…サッカーに興味無いからって、あんまりじゃないか?」


…守まで、不機嫌になってしまった。


「ごめん」


俺は謝るしかなかった。


「いーよ。あのね、県大会の決勝あるんだよ。

決勝まで行くのもうちでは珍しいし、地元メディアからは結構注目されてるんだけどね。

勝てば、全国大会だし」

「そ、そうなんだ。本当にごめん」


俺はまた謝った。

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