《MUMEI》
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二人は待った。
三十分ほど黙っては待っていただろうか
ジンがFSLを見、
「…時計機能すら、動いてないな」
パネルを叩いてみるも
案の定、反応は無く
唇を噛んだ
そしてリツが痺れを切らす
「ジン!やっぱ動かなきゃ始まらねえよ!」
ジンはゆっくりと瞬きをしてから、リツを見た。
「……そうだな。でも、っ!?」
リツに手首を掴まれ、引かれて、必然的に走り出してしまう。
走る
白
白
白
白
白
走っても走っても、純白の終わりが見えない。
ジンの手を引いて走る、リツの黒い髪とジャケットだけが
白を切り裂き続けていた。
「…なんだろ」
ジンは、
ずっと
ずっと長い間、
会えなかった誰かに、
ようやく再会したような…
妙に強い懐かしさを
感じていた
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