《MUMEI》 謝るときは. 予期せぬ事態に驚いたのか、義仲は目を大きく見開いていた。 わたしはその目をしっかり見つめて、 はっきりとした口調で、言った。 「ヒトに謝るときは、ちゃんと目を見て言いなさい!」 義仲は、ぽかんとした表情を浮かべていた。 わたしは彼の顔を向かせたままで、つづける。 「そんなんで謝っても、相手に気持ちは届かないよ!」 そこまで言って、わたしは彼を解放する。それに…と言葉をつづけながら、肩を竦めてみせた。 「あんたには、散々イヤな思いさせられてるんだからね。今さらの話じゃない!」 フンッと鼻を鳴らした。 義仲はしばらく呆然としていたが、不意にフッと笑い、そーだっけ?と白々しく呟いた。 わたしは半眼で彼を睨み、そうよ、と深く頷いた。 . 前へ |次へ |
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