《MUMEI》 「その方が──あたしは楽しいけどね」 本当に楽しそうに、那加が言った。 「──日向? 戻んない?」 「ぁ、ぁぁ‥戻るか」 「うんっ。あたしお腹空いちゃった」 「ぇ、もう空いたのか?」 「空いたに決まってるじゃない」 「──じゃあ──早く戻らないとな」 ベンチから立ち上がると、那加が先に立って歩き出した。 「ぉ‥おいっ、那加──待っ‥」 ──ぁ──夕陽が綺麗だ。 「日向ぁ! 置いてかれたいのー?」 「──ぇ‥ちょっ、姫サマぁ!」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |