《MUMEI》
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徐々に
見えかけ、繋がりかける
記憶の断片
繋がりそうにカケラが触れ合って
弾かれたように
遠ざかる
ジンは
まだ自分の手を引いて走り続けるリツの背中を見た
「なあ、リ…あだッ!!」
急に立ち止まったリツに激突して
ジンは危うく倒れこみそうに、よろけた。
そして一番強くぶつけたらしい左肩を擦りながら愚痴をこぼし
「止まるなら止まるって…」
リツの腕が
後ろにいるジンを庇うように、横に伸ばされたのを見て
言葉を切った。
「動いて…みるもんだろ?」
と、リツが肩越しにジンを見た。
そうして再び正面に顔を向ける
ジンも視線をそこに移す
二人の視線の先
艶やかでどこまでも真っ直ぐな銀の髪を
背中の中央辺りまで、のばし
清水のように体を包む美しい衣をまとって
二人に背中を向ける
スラリとした
人間、ひとり
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