《MUMEI》

「なぁ、前に日向ぼっこした時──」


「?」


「那加、最初は嫌がってたけど──だんだん──」

「嫌がってた訳じゃないわよ、別に」


「ぇ──でも‥」

「いきなり日向が引っ張るからビックリしたの」

「それだけか‥?」

「うん。それだけ」

「じゃあ──」





那加は、嫌がっていた訳じゃなかったんだ。





ただ、照れていただけだったんだ。





「にしても、何でそんな夢見たのかしらね?」

「──さぁ‥」





何でか、なんて分からない。





でも、楽しかったな──と思う。

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