《MUMEI》
美海の不安
僕は美海と待ち合わ
せした、シティホテ
ルのロビーに着いた


『海里ちゃん!』

サングラスに帽子を
目深に被った美海が
ソファーから立ち上
がった。


『美海!』

足早に駆け寄れば…
ギュッと抱き付いて
来た。


『?…美海?どした
?』


『部屋に行こ?』

ホテルのカードキー
を僕に渡して僕にし
がみつく美海。


美海の子供の時から
の癖…普段は自立し
た性格の彼女だが…
何かしら不安な時は
僕に依存してしまう
のだ。


…何が美海を不安に
させているのか?


その時の僕には見当
もつかなかった。

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