《MUMEI》
無事、帰還☆
.

義仲はわたしのことは気にせず、大きく伸びをした。

そうして、あくびをしながらのんびり言った。


「もうすぐ、家、着くんじゃない?」


その言葉に、わたしはハッとして窓の外を見た。夜の闇の中、見慣れた建売住宅街が、わたしの目に飛び込んでくる。





…………たッ、


助かったァァァッ!!





安心して、わたしは泣きそうになった。

そのうち、わたしの案内で家の近くまでやって来ると、車はゆっくり速度を落とし、わたしの家のまえで停車した。

サイドブレーキを引いてから、アンドウが車から降りて、後部座席へとまわり、わたしが座っている方のドアを、大きく開いた。


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