《MUMEI》 油断大敵『同点なら勝てる』 『サントスがいれば大丈夫』 素人の俺でも考えてしまうのだから、実際、試合をしているメンバーがそう考えてもおかしくなかった。 しかし 「同点でいいとか思わなきゃいいけど…」 ハーフタイム 希先輩は、ポツリと呟いた。 (だめなのか?) 希先輩の表情は、明らかに俺の考えを否定していたから、少し驚いた。 「同点でいいだなんて、思ってたら負けるだろうね」 珍しく真剣な口調で、厳が希先輩の言葉に続いた。 サッカー部元マネージャーの希先輩 バスケ部エースの厳 観戦メンバーの中で、特にスポーツに詳しい二人が同じ意見だった事に、俺は 不安になった。 そして、その不安は …的中した。 俺のように、考え 消極的にプレーしていた二年生のボールを、相手があっさり奪い 一気に、速攻をしかけてきたのだ。 (そういえば、このパターンは、前半無かったな) 前半は、ツートップのどちらかが個人プレイで攻めて来たのに 今は、スリートップ ドリブルで上がる中央の一人と平行する形で、前半攻撃の中心だった二人の選手が、走ってきていた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |