《MUMEI》
変わりはじめた空気
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運よく、義仲の家の、やくざ仕様の車で、わたしが送迎されたことは、家族にも、ご近所のひとにも、気づかれなかった。


ただ、わたしが、とんでもない格好をして帰ってきたことに、両親は大騒ぎした。


いろんな想像をして、警察に行くだの、婦人科に行くだのと言い合っていたが、わたしが、『階段で転んで足をくじいて、さらに服が手摺りに引っ掛かって破けた』と適当に嘘をつくと、両親は簡単に信じた。


−−−わたしの両親も、かなり適当なのだ。


ただ、足のケガは、ゆうこママにも病院で診てもらった方がいい、と言われていたので、次の日の朝、近所の接骨院に寄って診察を受けた。

担当した先生によれば、骨にも異常はなく、ただの軽いネンザ、ということだった。


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