《MUMEI》 . 気になったわたしは、彼らにチラッと視線を投げると、 わたしと目が合った彼らは、慌てて目を逸らし、 何事もなかったようにふざけはじめた。 おかしいのは、彼らだけではない。 すれ違うひとみんなが、わたしを見ては気まずそうな顔をして、なにやら囁きあうのだ。 …………気の、せい? そう思いたかった。 突然、沸き上がった不安を振り払うように、わたしは自分の教室のドアを開けた。 「おはよう」 気を取り直して、満面の笑顔を浮かべて、明るい声で挨拶した。 いつもなら、 クラスのみんなが、口々に挨拶を返してくれるのだが、 ………今日は、違った。 . 前へ |次へ |
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