《MUMEI》

  
僕には”克哉さん”という旦那様がいて、コレは克哉さんを裏切る事になるんじゃないか…。

僕にはそんな事、出来ない。


「いいのいいの♪」

僕の膝に座ったジェイミーは僕の着ていたシャツのボタンに手をかけながら、嬉しそうにそのボタンを外していく。

「彼の前では貞淑な妻でいて、僕の前ではエッチな旦那さんでいればいいと思うよ」
「え…そんな///」

いつの間にか脱がされたシャツをベンチの上に放り投げられると、下に着ていたズボンのベルトにも手をかけてきた。

「僕の旦那さんじゃ嫌なのか?なら僕は愛人でいいよ♪」
「そうじゃなくってさι」

積極的なジェイミーに圧倒されながらも必死に抵抗していると、ジェイミーは僕のベルトに掛けていた手を外してくれた。

諦めてくれたのかと思ってホッとしていると、今度はジェイミー自身が服を脱ぎ始めた。


「じっくり見ていいぞ♪」
「そんな事///」

そんな事しないよ…と言いつつも、ジェイミーの琴線の取れた体つきについ魅入ってしまっていた。

ジェイミーは顔も綺麗だし髪も黒くて長くてサラサラだし、それに身体だってスタイルが凄くいい。

男の出来損ないみたいに、細いだけの僕とは大違いだ…。

何で僕なんか、好きになってくれたんだろう…。



「アキラ///」
「なに…ぅわぁあ///」

ボーっとジェイミーの裸に魅入っていたら、急に腕を引っ張られてベッドに突き飛ばされて、スプリングの利いたベッドの上で大きくバウンドしてしまった。

「いいのいいの、一回だけ♪」
「なっ…何がだよ///」

バウンドした僕の上にジェイミーが覆い被さってくると、僕の着ていたズボンも下着も一気に剥がされてしまった。

「わぁあ///」
「あっ、そうだ」

脱がしたものをその辺に放り投げると、ジェイミーはベッドの横の机の引き出しからコンドームを取り出して僕に見せてきた。

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