《MUMEI》

「じゃあな…迷惑かけんじゃねぇぞ」
「うん///」

そんな別れを惜しむ俺たちの様子を、アキラさん達は微笑ましげに眺めていてくれていた。

= = = = = = = = = = = = = = = = = = = =

「おじゃまします♪」

アキラさんの住んでる部屋におじゃますると、さっそく綺麗なお花が飾ってあって、部屋中になんとなくいい香りが漂っていた。

「お花でいっぱいだぁ」
「お店で余ったやつだからね、ほら、折れててもいい香りはするんだよ」

昼間におじゃました時もそうだったけどテーブルに綺麗に飾ってあったお花に顔を近づけると、爽やかな香りがした。

「可愛いなぁ///」

アキラさんがニコニコしながら、俺の頭をまるでにゃんこのように撫でてきた。

こういうの、よくされる事がある。

きっと俺が猫だったら喉がゴロゴロ鳴っているに違いない。

頭を撫でられてうっとりしながら、テーブル越しにアキラさんを見上げた。

「アキラさんも、お花みたいに綺麗///」
「え…///」

そう言ってアキラさんに抱きつくと、アキラさんは照れながら笑ってくれた。

「…あの…お祭りの…ごめんね」
「え…」

やっぱりあの事、アキラさんは心配してくれてたみたいで申し訳なさそうに俺の事を見つめていた。

「ううん、謝らなくていい…です///」

俺の事を心配してくれてるんだ…。

お祭りの時のあの言葉もそうだけど、俺の事を想ってくれてるっていうのが嬉しくてアキラさんの身体をギュッと抱きしめた。

「俺は、武が守ってくれるからだいじょーぶ///」

俺が今回、危ない目に会ったのは武と一緒に居なかったから、だから武とは絶対に離れないようにしようって決めたんだ。

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