《MUMEI》 クリスマスまでサッカー部の全国大会出場が決まった翌日 いつもより早く、初雪が降った。 (まだ、十一月なのにな…) そんな事を考えていたら、街は早くもクリスマスモードに突入していた。 俺の周りのバカップル達も、しっかりクリスマスモードだった。 バカップルでは無いが、拓磨はクリスマス効果でウザさが三割増しで 志貴のビンタの数も、三割増しだった。 『目がちゃんと見える範囲(サッカーに支障無い程度)にしてくれよ』 誰も何も言わない中 サッカーバカの真司はそれだけ注意していた。 サッカー部は、雪の日でも室内で練習していた。 そんなサッカー部も、クリスマスだけは、練習を休むらしい。 「志貴!」 「クリスマスは家族で過ごすから」 「じゃあ冬休みデートしよう!」 「じゃあの意味がわからない」 (クリスマスパーティーに俺が出席する事と 冬休み、会う約束してるのは黙っておこう) 俺は心に誓ったが 結局、クリスマスパーティーの件は、バレた。 正確にはバラされた。 しかし 拓磨は俺を怒る事はなく むしろ、ご機嫌だった。 前へ |次へ |
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