《MUMEI》

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わたしはなにも答えなかった。川崎先生は、深いため息をつく。


「こんなことで、俺達のことが学校に知れたら、たまったもんじゃない。今までうまく隠してきたのに、君が現れてから、義仲さん絡みの面倒がつづいている」


そこまで言ってから、川崎先生はわたしを睨みつけた。

そして、押し殺すような低い声で、つづけたのだ。


「悪いことは言わない。今後、俺達に関わるな」





…………え?





わたしが呆けた表情を浮かべていると、先生は冷たい声で、ゆっくり言った。


「義仲さんが、君のことを気に入っているのはわかっているが、君はカタギだ。義仲さんと君の『世界』が違うのは、君だってわかっているはず。これ以上関わることはもう、ゆるさない」


わかったら、はやく教室へ戻れ、と言い残すと、先生はそこから立ち去っていった。

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