《MUMEI》 . 彼女はわたしの隣に並び、一生懸命声をかけてきた。 「き、機嫌悪いって、なにかあったの?」 わたしは彼女がウザかったのでシカトすると、彼女は思い付いたように、もしかして、と呟いた。 「サセコっていう貼紙のこと?」 わたしはギロッと彼女を睨んだ。彼女は黙り、ビクリと肩を揺らす。 少しの間、彼女を睨みつけたあと、プイッと顔を背けてまた歩きはじめた。そしてやっぱり、金井さんはわたしの隣に並ぶ。 そうして、声をかけてくるのだ。 「災難だったね。あんなこと書かれて」 彼女の言葉に、わたしは心の中で、ほっとけ!と毒づいた。 . 前へ |次へ |
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