《MUMEI》

『なんで…海里ちゃ
ん…そんな…』

美海は悲痛な叫びを
上げた。


『私が…失踪なんか
したから…海里ちゃ
んが…辛い思いを…
海里ちゃん、ごめん
ね…』


『美海、それは違う
よ?確かに、失恋確
定の恋かもしれない
けどさ…如月と出逢
えて良かったと思っ
てるし…美海だって
そうだろ?』


『うん、そだね…』


『ね、美海は和之さ
んに自分の気持ちを
ハッキリ告げたの?』

『ううん…だって言
えないよ。』


『クスッ、だと思っ
た…僕も言えないも
んな。』


『同じだね…』

美海も笑った。


『ね、美海?僕らも
さ…気持ちをハッキ
リさせようか?』


『海里ちゃん?』


『だって…僕らは1
人じゃない…二人な
んだからさ…喜びは
二倍に、悲しみは半
分に…だろ?』


そう、1人なら怖く
て出来ない事も、二
人なら…だって僕ら
は繋がってるんだか
ら…

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