《MUMEI》
小さなスペシャルゲスト
「メリクリ!祐也!」


俺の足にしがみついてきた相手は、俺からは顔は見えなかったが


「…壱子、ちゃん?」


こんな事をしてくる相手を、俺は他に知らなかった。


「当たり〜!」


赤いワンピースを着た壱子ちゃんは、俺を見上げて笑った。


「…もしかして、俺の相手って、壱子ちゃんですか?」


コッソリ貴子さんに確認すると


「忍さんダメだったし。何か、文化祭やハロウィンの時のやりとり聞いて、母さんが会ってみたくなったんですって。

で、お使いも兼ねて呼んだの」

「…お使い?」


忙しい忍が来れない事も


果穂さんの性格からして、壱子ちゃんが呼ばれた理由もすぐに理解できたが


最後の理由だけは、わからな…


(…?)


俺から離れた壱子ちゃんは、何故か拓磨の所に向かった。


そして


「メリクリ!ベッキー!」


そう言って拓磨に


ミニスカサンタ服を渡した。


「こ、これを、俺に?」


ワナワナと震える拓磨に、壱子ちゃんは、笑顔で頷き


「セクシーカトラス様もお待ちかねだよ!」


そう言って、拓磨を引っ張っていった。

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