《MUMEI》

「お気に召されましたか?」


「うん‥」


意外やなぁ。


「──学校の方は如何でしたか?」


「ぇ‥‥‥まぁまぁやけど」


「そうですか──」


「‥なぁ」


「はい?」


「‥何企んどるん‥?」


「企んでなどいませんよ? 僕はいつも、お嬢様の幸せを一番に考えてますから」


「‥!!」


寒気がッ‥悪寒がッ‥。


やっぱコイツ‥むっちゃ怪しいっ‥。


このクッキーに‥何か仕込んであったりせぇへんよな‥?


ある訳‥ないよな。


うん‥。


「──お嬢様──」


「ん──何?」


「これを」


「?」


‥薔薇‥?


何で薔薇やねん‥。


でも──綺麗や‥。


「──お嬢様」


「へ‥」


「告白ならいつでも歓迎ですよ?」


「誰がするかッ」

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