《MUMEI》

「──お嬢様?」


「‥なっ‥‥‥何でもあらへんッ」


あかん‥。


‥何なんよこれ‥。


むっちゃ今あたしドキドキしとる‥。


「本日の紅茶は如何なさいますか?」


「ぇ‥‥‥何でも‥」


「ご遠慮なさらなくて結構ですよ──」


「‥ぃゃ‥ほんまやから‥」


‥ていうか何でそないにええキャラになっとるん‥?


逆に恐いわ‥。


「どうかされました?」


「‥‥‥スバルあんた──‥」


「はい」


「猫被んの止めてくれへん‥?」


「──僕は猫なんか被ってませんよ? それよりお嬢様──まだお気付きになりませんか?」


「へ‥‥‥」


何を‥?

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