《MUMEI》 大晦日の宿泊先去年は、俺を大晦日何処に泊めるか揉めた高山一族だが 今年、俺の宿泊先はあっさり決まった。 (と言うか…一人で過ごしちゃだめなのか?) そう思いながら、俺は目的地に向かった。 「いらっしゃい!」 「すみません。お世話になります」 「いいのよ。 龍平も志貴もすぐ帰ってくるからね」 そう、笑った、貴子さんの顔は (さすが、親子だな) 志貴にそっくりだった。 俺の宿泊先は、一度泊まった事のある津田家だった。 俺に会わないと言っている柊がいる家は選択肢に無く 葛西先輩や屋代さんが泊まりに来る仲村家は、既に定員オーバーで 定員に余裕のある高山本家は 今年は、石川とその家族を泊めるらしい。 石川は天真爛漫で、無邪気に喜んでいたが、その家族はかなり困惑したらしいが そこは、果穂さんが強引に 大志さんが優しく うまく、丸め込んだそうだ。 「「ただいま!」」 おせち料理と酒類を持った龍平さんと志貴が帰ってきた。 「「おかえりなさい」」 (…で、いいのかな?) 一応、貴子さんと口を揃えて出迎えた。 前へ |次へ |
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