《MUMEI》

『夢視、また死のう
としたそうだな?』

レイノルドは夢視の
手首の包帯を乱暴に
解き、まだ完全に癒
えぬ傷に唇を這わせ
歯を立てた。

傷口から血が流れ出
し、それを舌で嘗め
取る。


『甘い…夢視の血は
甘いぞ?夢視の考え
の様に甘い!死ねば
僕から逃げられると
思ったの?
髪一本、血の一滴だ
って夢視は僕のモノ
だよ?』


そんなレイノルドの
言葉に夢視は、背筋
が寒くなり心が凍り
付いた。


『殿下は…狂ってい
る…』

思わず、口に出して
しまった。


『僕が狂ってるって
?そうだな、確かに
僕は狂ってるのかも
でも夢視?お前が僕
を狂わせているんだ
よ?』


レイノルドに激しく
揺さぶられ、限界絶
頂を迎え、頭が白く
弾ける夢視。


薄れ行く意識の中で
レイノルドの言葉が
こだました。

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