《MUMEI》 . わたしは憤慨して義仲に詰め寄り、なんだそれ!!と叫ぶ。 「どこのどいつだ!そんなこと抜かしたヤツは!!」 わたしの怒鳴り声に、義仲は、だよな〜とのんびり頷いた。 「俺もなんかムカついたから、喋れなくなるまで殴っといたよ」 そう平然と言われたので、わたしは面食らった。そ、そう…と曖昧に頷き、椅子に座り直した。 義仲はわたしから目を逸らし、ため息をつきながら、椅子の背もたれに寄り掛かった。 天井を見上げながら、彼は、なぁ…と、ぽつんと呟く。 わたしが、なに?と答えるよりはやく、 突然、尋ねてきたのだ。 「『貼紙』って、なんのこと?」 予想外のことを言われて、わたしがビックリしていると、義仲はチラリとこちらを流し見た。 そして、つづける。 「そいつらが言ってたんだよね。璃子ちゃんの『貼紙』を見たんだってさ」 詳しく聞くまえに気絶しちゃったんだよねー、と、ため息をつく。 . 前へ |次へ |
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