《MUMEI》 聞こえた呟き. わたしは戸惑いながら、金井さんの顔をチラリと伺った。 彼女は真っ青な顔を俯きがちにして、ゆっくりと席に座り直した。 そのとき、彼女の唇から、確かにこぼれ落ちたのだ。 まだ、足りない……、と。 …………『足りない』?? その台詞が気になったが、隣の義仲が、ねーねー!と、しつこく話かけてくるので、そのうち、わたしは金井さんの謎の言葉を、すっかり忘れてしまったのだった。 ****** −−−放課後。 帰りのショートホームルームが終わると、みんな帰り支度をして、さっさと教室を出て行ってしまった。 . 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |