《MUMEI》 . めんどくせー、と呟き、教室のドアの方を確認したが、それらしいひとはいなかった。 わたしは金井さんに向き直る。 「どこにいるのよ?」 わたしの質問に、金井さんは必死な様子で答えた。 「か、化学室に、い、いるって。伝えてって、た、頼まれたんだ」 …………化学室ぅ? なんでそんなところに……と、疑問に思っていたが、金井さんは立て続けに、はやく行ってあげて!と、言った。 「か、片倉さんが来るまで、ず、ずっと待ってるって、い、言ってたよ」 …………ウザッ!! 少女マンガの世界かよ! . 前へ |次へ |
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