《MUMEI》

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「見ようと、したこと…?」



かち合う、

一対の、神秘的に輝く紫水晶と


一対の、深い漆黒真珠





[見ようとしないから、見えない]

フルアはリツの頬に手を添えたまま、
視線を落とし

[見えないと想うから、見ようとしない]

手を下ろして
再びリツの瞳を見て微笑んだ。

そしてそのまなざしは

未だ驚きを隠せない様子の、

ジンへ。




[…ジン。何故お前たちが呼ばれたか、分かっているか?]



ジンは眉をひそめた。
「…なぜ、ですか?」


フルアはリツにも視線を流して、答える


[無知の力…]

「無知の、力…?」


[無知は時に、勇気より強く、優しさより暖かいものとなり得る]

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