《MUMEI》

ちょっ‥‥‥何すんねん‥!?」


何やコイツッ‥いきなりお姫様抱っこしよった‥!


「は‥はよ下ろさんかいッ」


「また先程のような事があっては大変なので──お部屋までお運びします」


「余計なお世話やっ‥さっきはたまたま‥」


「お忘れですか、お嬢様?」


「‥なっ‥」


「僕の命令には絶対服従ですよ」


「あんなぁ‥」


逆やてば、逆。


アンタ命令する立場とちゃうやろ‥?


年上やし‥頭もええし‥何でも出来るけど‥‥‥あんた──執事やて事忘れてへん‥?

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