《MUMEI》 放課後の化学室. 化学室は、教室がある校舎からは離れた場所にあった。 化学室には劇薬がたくさんストックされているから、もしもの事故の際に、教室棟まで被害が広がらないように、との、学校側の意向によるものだった。 わたしは放課後の、ひと気のない廊下を、ひとりで歩いていた。 …………つーか、 遠すぎ!! みなさん、忘れてません?? わたし、一応、ケガ人ですよ?? 不条理さに、ため息をつきながら歩いていると、程なくして約束の化学室にたどり着いた。 予想通り、こんな離れには他の生徒の姿はなく、しん…と静まり返っていた。 わたしは舌打ちする。 …………ったく! めんどくせーなぁ!! さっさと話聞いて、帰ろっと! . 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |