《MUMEI》

.

善は急げとばかりに、わたしは化学室のドアのまえに仁王立ちして、


「どーもー!!片倉ですけどー!!」


確認もせず勢いよく、ドアを開けた。



そして、固まる。



化学室の中には、男子生徒がいた。

しかも、

ひとりではなく、


5人も。



その、彼らの雰囲気も、どこか荒んだ印象を受けて、ひとめで不良グループのひとたちだとわかる出で立ちだった。


−−−激しく、イヤな予感がした。


彼らは実験台の上に腰掛けて、なにかを楽しそうに話していたが、

わたしがやって来たことに気づくと、

一斉にこちらを見て、


ニヤニヤした。





…………なに?





胸を渦巻くイヤな予感に、わたしは緊張する。


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