《MUMEI》
18章 一緒の時間
「ぁ〜ぁ、もうすぐ終わっちゃうね──夏休み」





朝起きて、那加が一番に言った台詞。





俺も、同じ事を心の中で呟いていた。





「なーんて、別にどうでもいいんだけどね〜」





本当は、名残惜しいんだと思う。





けど那加は、その事をわざと気付かれないようにしている。





どうしてなんだろう。





そんなに強がらなくてもいいのにな。





「──日向?」

「ぁ‥その‥何かご所望ありますか?」

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