《MUMEI》

「別に──ないけど」





やっぱり、そう返ってきた。





「何でそんな事訊くの?」

「──だってほら、2学期が始まると‥」

「気、遣い過ぎじゃない?」





苦笑する那加。





「気にしてくれるのは有り難いけどね? あたしだってそんなにしょっちゅう何かして欲しい訳じゃないし」





言いながら、那加がマンガ雑誌のページを捲る。





「そういえば──実音ちゃん最近来ないね」

「ぁぁ‥」





確かに、最近来なくなったな‥。

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