《MUMEI》 宗方さんの事情「まぁ、ちょっと座って話そうか」 そう言われて、俺と宗方さんはとりあえずベンチに座った。 「それにしても、ホモの変質者に間違われるとはね〜ハハハ」 「本当に、すみません」 「いいよ。俺も挙動不審だったし。 …今はさすがに疑ってないよね?」 「はい、もちろんです」 宗方さんは、とてもホモの変質者には見えなかった。 「あ、でも…」 「…え?」 (?どうしたんだ?) 俺の言葉に、宗方さんは異常に反応した。 「でも、どうして息が荒くて、こんな夜の公園にいたんですか?」 「あ、それ?」 「はい」 「それか〜」 (…?) 宗方さんは明らかにホッとしていた。 「あの?」 「あ、ごめんね。実は探し物をしていてね。この辺の公園片っ端から調べてたんだ。 時間無いから、移動走ってしててさ。 朝からだったし、さすがに疲れてしまってね。 もう年かな〜」 「なるほど」 「…最後は否定してくれよ」 「え?」 「いや。それで、もう夜だし手がかり無いし、人もいなくてどうしようかと思ったところに君に話しかけられてね。 帰国子女だから、ついあんなオーバーリアクションしてしまったんだよ」 前へ |次へ |
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