《MUMEI》 探し物帰国子女という単語を聞いて、俺はすぐに納得した。 (頼も厳もスキンシップ激しいしな) そんな俺を見て 何故か、宗方さんは少し驚き 『結構普通に通じるんだな…』と、小さく呟いた。 「あのー」 お互い事情を話したし、俺はもう帰ろうと思った。 「そうだ!君!」 「田中祐也です」 俺は、今更だが、自己紹介した。 「祐也の『や』は、弓矢の矢?」 「…いえ、也(なり)の方です」 「そっか」 「どうしたんですか?」 「いや。ただ俺の心が反応しただけだから、気にしないでくれ」 『この話題はここで終わり』 宗方さんの目がそう語っていたので俺はそれに従った。 「で。話を戻すけど… 田中君は、この街の公園のどこかにあるという 『愛のトゲヌキ地蔵』について、何か知らないか?」 「知りません。何ですか?それ」 「その地蔵を見つけると、恋愛成就し、更にそこでイチャイチャすると、永遠にその恋人と結ばれるという伝説のお地蔵様の事だよ! ネットで超有名なんだよ!」 「すみません。…知らなくて」 宗方さんの勢いに負け、俺はつい謝ってしまった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |