《MUMEI》
探し物
帰国子女という単語を聞いて、俺はすぐに納得した。


(頼も厳もスキンシップ激しいしな)


そんな俺を見て


何故か、宗方さんは少し驚き


『結構普通に通じるんだな…』と、小さく呟いた。


「あのー」


お互い事情を話したし、俺はもう帰ろうと思った。


「そうだ!君!」

「田中祐也です」


俺は、今更だが、自己紹介した。


「祐也の『や』は、弓矢の矢?」

「…いえ、也(なり)の方です」

「そっか」

「どうしたんですか?」

「いや。ただ俺の心が反応しただけだから、気にしないでくれ」


『この話題はここで終わり』


宗方さんの目がそう語っていたので俺はそれに従った。


「で。話を戻すけど…

田中君は、この街の公園のどこかにあるという

『愛のトゲヌキ地蔵』について、何か知らないか?」

「知りません。何ですか?それ」

「その地蔵を見つけると、恋愛成就し、更にそこでイチャイチャすると、永遠にその恋人と結ばれるという伝説のお地蔵様の事だよ!

ネットで超有名なんだよ!」

「すみません。…知らなくて」


宗方さんの勢いに負け、俺はつい謝ってしまった。

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