《MUMEI》
聞き込み
「そういえば、探し物について、何か聞けましたか?」


宗方さんがごみ捨てに行ってくれたのは、親切と


情報収集の為だった。


「いや、全然」

「俺も、知り合いに訊いてみましょうか?」

「ありがとう!」

「いえ」


俺が宗方さんの前でかけた相手は


サッカー部の試合会場近くのホテルに昨日から泊まっている志貴だった。


そのサッカー部の試合は、今日の第三試合だった。


(出るかな?)


俺は緊張…


《もしもし祐也? おはよう、どうしたの?》


している間に、志貴が普通に出た。


「あ、あのさ。今大丈夫?」

《うん。試合までまだ時間あるし》

「それでも、練習見に…」

《行くと拓磨が張り切り過ぎるからって他の部員に止められた》

「ハハ…」

「ゴホン、ゴホン!」


(しまった)


宗方さんの咳払いに、俺は本題に入る事にした。


「あのさ、志貴は、『愛のトゲヌキ地蔵』知ってる?」

《知らない》


(やっぱりそう簡単には無理か)


諦めて、通話を終わらせようとした時


《でも、『愛の道祖神』なら知ってる》


と、志貴は続けた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫