《MUMEI》
個性的な客達
「あー、パパ、うわき〜」

「また、大物を釣り上げたわね」

「ははは犯罪反対!」

「…」


(えーと、…誰?)


果穂さんと大志さんは


ひたすら笑っていた。


俺達の姿を見て、最初に元気良く指差してきたのは


次に発言した、綺麗な女性の


多分、娘で


ものすごく動揺している人は


よくわからなかった。


(でも、一番わからないのは…)


「…」


ずっと無言の、眼鏡をかけた美形だった。


(俺、睨まれてる?)


首を傾げた、その時


「む、宗方さん!?」


俺の隣にいる宗方さんが、プルプルと震え始めた。


「…『伝説』、実践しないのか?」


眼鏡の男がポツリと呟くと


「おお、お、お、と、…やーっ!!」


宗方さんは、初めて会った時より息を荒くし


眼鏡の男を押し倒し


馬乗りになった。


「何してる」

「これからナニする。伝説する」

「ちょ、何してんスか!」

「なになに〜!」

「んー。瑠璃はこっちの綺麗なお兄ちゃんと一緒にいなさい。

ちょーと、まだ早いから」

「わーいっ!」


(ど、どうなってるんだ!?)

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