《MUMEI》 「ええと‥隣りにいてもいいデスか?」 「日向がそうしたいならいいよ」 お許しが出て、ちょっとホッとした。 ──隣りで、ページを捲る音。 話しかけようかどうしようか、迷う。 「──那加──」 試しに呼んでみたけど、那加には聞こえていないらしい。 マンガの世界に、入り込んでいるみたいだ。 「那加〜」 応答なし。 ──読み終わるまで待っていても退屈だし、俺も読んでみようか。 そう思って、もう1冊のマンガ雑誌を開いた。 前へ |次へ |
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